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Letter Part19

 こんばんは、管理人でござい。今年もアニサマ充したい!・・・のにチケットがないorzなので、どうにかならないかと粘ってる最中などと。

 今回はLetterの第19話。いよいよあと2話なんですが、改めて読み返してみると今回の話っているのか・・・。いや、実際必要な部分だとは思うのですが、完全裏エピソード的な感じになってるので、前回までの展開とは別の意味で反応がガクブル。ひとまずそのまま掲載することにしますが、今後の課題と言う意味でもコメントをぜひお願いします・・・割と切実なのでw
 それでは参ります↓


「…到着です」

 機械音が、目的地への到着を告げる。そして、ヒロの背中に展開している翼が消え、身の丈ほどの大きさの杖が、再び彼の左手に戻った。

「…お疲れ。中に入ろうか」

 ヒロは杖にそう語りかけ、目の前の建物へと入っていく。今までとはうって変わった、すっきりとした表情で。


「やあ、ヒロ。お疲れ!」

 中に入って、最初に彼を出迎えたのは、セーラー服のような上着に、丈の短いズボンを身につけた男の子だった。ヒロが健二のもとに降りて来た時に、一緒にいた彼だった。

「お疲れ様です」

 ヒロは軽く頭を下げて、挨拶する。そんな彼の様子に気を良くしたのか、少年はどこか上機嫌だった。

「まあ、そんなにかしこまらくていいよ。で、どうだった、初仕事の方は?」

 少年の問いに、ヒロは静かに答える。

「ええ、どうにか。それより、ありがとうございました。勝手なわがままをきいてもらって」

「何、気にしなくていいよ。ボクの方も、むしろ好都合だったしね。その間別の仕事もできて、オールオッケー」

「でも、ナギ先輩。これも仕事のうちだったのでは…」

「そんなこと、気にしたら負けだって。もうちょっと不真面目にならないと、生きていくのに苦労するよ」

 ナギは笑いながら、そう言った。その横でヒロは「そもそも死んでいるのに」と呟くが、彼には聞こえない。すると、思い出したように、彼は話を切り出す。

「そういえば、そろそろ解いた方がいいんじゃない?初めてだと、身体のほうの負担も大きいし、そろそろ限界でしょ?室長への報告は…まあ少しくらい遅れたって構わないし、少し部屋で休むといいさ」

「…ええ。そうします。先輩は、これから仕事ですか?」

「そう、お仕事。んじゃ、そろそろ行くかな。ヒロ君は、多分まだ、連チャンで入らないと思うから、今のうちゆっくり休んでおくように!」

 そう言い残し、どこかオヤジ臭い少年は去っていく。ヒロは、彼の姿が消えていくのを確認し、再び歩き出す。

 真っ白い壁に囲まれ、白く塗られた廊下を、ナビに従いながらヒロは歩いていく。途中から、彼の姿がぶれ始める。特にひどくなった左手を、右手で支えながら呪文を唱えるが、効果はない。彼は急いで部屋へ向かう。

「変身(トランス)の限界時間が近づいています。早急に解除しなければ、貴方の身体が消滅します。解除しますか?」

 どうにか部屋に戻ったヒロに対し、彼の手の中の杖は警告する。ヒロの体のブレが予断を許さないのは、明らかだった。左手の実体がなくなり、杖を落としてしまうヒロ。床に落ちた杖に向かって、ヒロは命令する。

「変身(トランス)…解除!」

 すると、床にある杖が光り出す。その光は、今まさに消えようとするヒロをも包んでいく。

「解除…完了」

 ヒロの声が部屋に響く。しかし、光が収束したあと、彼の姿は部屋になかった。部屋には彼の相棒とも言える杖と、先ほどまでそこにいたヒロとは似ても似つかぬ、透き通るように白く、どこか聡明な印象を抱かせる少年の姿しか見当たらない。

「ふう…」

 少年は一息つく。よく見ると、彼の服装は先ほどまでヒロが身につけていたものと同じだった。

「大丈夫ですか、マスター」

 再び聞こえてくるヒロの声。しかし、その声は床に転がっている杖から聞こえてくる。少年は杖を床から拾い上げる。

「うん、大丈夫。ありがとう、心配してくれて」

 少年は笑顔でそう答えるが、どこか弱々しく見えた。

「当たり前です。私の仕事は、あらゆる場面においてあなたをサポートすることです」

 真剣な声で、杖は言う。それに、と杖は付け加える。

「今のあなたでは、トランスは負担がかかり過ぎます。もう少し、自分を大切にしてください」

 どこか熱をこもった声に、少年は思わずうなり声をあげた。

「…どうしましたか、マスター?」

 杖が彼にそう尋ねる。

「いや、マスターって呼ばれて傅かれるのなんて、慣れてないから、どうもむずかゆいくて…」

「ですが、あなたは私にとってのマスターでありますし」

 少年は少し考え、こう答えた。

「だったら、僕のことは名前で呼んでほしい。言っておくけど、これは主の命令だから、拒否したら許さないから」

「はあ…」

 あまりの展開に、毒気を抜かれた杖は、思わずそう答える。

「ほら、呼んでみて」

 少年は杖に対し、そう促す。杖はうなりながらも、ぼそっ、と口(?)を開く。

「ヒ、ヒロ…」

「よろしい」

 少年‐ヒロ‐は、笑顔でそう答えた。すると、思い出したかのように、再び彼は口を開く。

「そういえば、君のことをどう呼べばいいかな?」

「どう…とは?」

 杖は、疑問を口にする。

「例えば、名前とかあだ名とか、そういうのだね」

「一応、開発コードと言うのがありまして、確かDKF‐…」

「…何だか呼びにくそうだから、僕が名前を付けてあげるよ」

 ヒロが提案すると、杖は突然うろたえ始める。

「い、いえ。そんな畏れ多いこと、私には…」

「あ~もう、静かに。せっかくのマスターからの申し出なんだから、ありがたく受け取っておきなって。まったく、頭でっかちだね、カナタって」

「申し訳ありません、マスター。ところで、『カナタ』とは一体…」

「君の名前だよ。それと、マスターって呼ぶの禁止、だったよね?」

 ヒロは小さな子供のように拗ねる。杖は呆れたような声を出し、続けてこう言った。

「…ありがとうございます、ヒロ。これからも誠心誠意サポートさせていただきます」

「うん、よろしく。カナタ」

 満面の笑顔で、彼は微笑む。しかし、どこか顔色が優れないようにも見える。

「ヒロ。トランスの負担もありますし、少し休まれては。局長への報告は私が代わりにしておきますので」

 カナタは彼に対し、そう提案する。

「そうだね。だったら少し休もうかな」

 そう言って、カナタを壁に立て掛け、マント・帽子の順に取っていく。そのまま、部屋に備え付けられたベッドへ向かう。

「それじゃ、あとのことは任せるね」

「…その前に、一つだけ聞いてもいいですか?」

「何だい?」

 ベッドの端に腰かけて、ヒロは尋ねる。

「どうして彼らのために、あんなことまでしたのですか?」

「あんなことって、どんなことだい?」

 微笑みながら、質問を質問で返す。そんな彼の様子に、呆れながらもカナタは答える。

「ただでさえ負担がかかるトランスを限界ぎりぎりまで続けたり、手紙の文面に変更を加えたりです。あなたがそこまでする理由がどこにあるのでしょうか?」

「…そうだね」

 神妙な表情で、彼は答える。

「マスター…ヒロ、あなたの意図は正直わかりかねます。私が納得できるだけの説明を願います」

 そう告げるカナタの声は、どこか悲しみの色が混ざっているように思える。

「正直、君の言う通りだと思う。僕の行動に意味なんてないのかもしれない。でも、僕としては、あの二人には笑っていてほしい。いつまでもいない人間のことに囚われているのは良くないことだし、僕自身それを望んでいない。だからと言って、僕が直接言ってもおそらく意味はないし、僕がやる以上姿を変える必要はあったんだ」

 懐かしむように語るヒロ。カナタはだまって話を聞いている。

「それに、健二くんがあまりにもヘタレだったから、見るに見かねて、っていうのもあるしね。まったく、健二くんたら、相変わらずの性格だから、苦労したよ。サポートするこっちの身にもなってほしいよ」

 ぐちぐちと文句を言うヒロ。しかし、どこかうれしそうにも見える、そうカナタは感じた。

「…私には理解しかねますが、ニンゲンというのは中々、単純にいかない生き物ということですね」

 カナタがそう結論付けると、「まあそんな感じかな」と、眠そうな声で答える。

「差し出がましいことを聞いてしまい、すいませんでした。どうぞ、ゆっくりお休みください」

「うん、そうさせてもらうよ」

 そして、ベッドの中へと潜り込むヒロ。程なくして寝息が聞こえてくる。

「ゆっくりお休みください、ヒロ」

 寝息を立てるヒロに、カナタはもう一度だけ、そう言った。


 真っ暗な部屋。

 前方のスクリーンの光のみがこの部屋を照らしだす。

 この部屋にいるのはこの部屋の主たる人物ただ一人。その人物は暗い部屋の中、スクリーンの正面のデスクに座り、キーボードを叩きつつ、スクリーンに映し出される映像を見ていた。

「はあ、目が疲れるな」

 部屋の主たる人物は、椅子にもたれかかりながら、不満を漏らす。事実、彼の顔に疲労の色が見えている。すると、ピピッ、という音がコンピュータから発せられる。

「はいはい。今出ますよっと」

 面倒くさそうに体を起こし、キーボードを操作する。画面には、変わった形をした杖が映っていた。

「あれ?KDF‐500じゃないか」

 意外そうな声を上げる男。それに対し、杖は語りかける。

「お忙しい中、失礼します局長。ヒロに代わり、任務の報告に上がりました」

 恭しくあいさつするカナタ。そして、真っ暗だった部屋の電気がつく。すると、部屋の主たる局長は、不機嫌な顔になる。

「だから電気は付けなくていいってば。私としても、暗い方が落ち着くし」

「いえ、ですから暗い所で作業をされますと、疲労がたまりやすくなり、視力にも影響を及ぼします。あなたは、自分の立場を少しは考えるべきです」

 まくしたてるように局長を叱りつけるカナタ。一方の局長は、彼の小言をげんなりした顔で聞いている。彼はため息を一つつく。

「…相変わらず手厳しいね、君は。うちのメインコンピュータにハッキングを仕掛けるのは感心しないけど、忠告は受け取っておくよ」

「いえ、申し訳ありません」

 小さくなりながら謝罪をするカナタ。そんな彼を見ながら、局長は笑顔を見せる。

「それで、今回は任務の報告だったっけ?」

 局長は話を戻す。カナタは冷静に対処する。

「はい。今からデータを送りますので、目を通しておいてください」

 カナタがそう言うと、局長室のコンピュータにデータが送り込まれ、モニターにその中身が映し出される。

「ふむふむ…トランスを一週間、ね」

 時折挿入されるカナタの説明に相槌をうちながら、報告書を読み進めていく。

「なるほど。御苦労さま、KDF‐500」

 モニターから目を離しながら、彼は言う。

「それにしても、初仕事でトランスを一週間ね…。相変わらず無茶をする子だね、英雄君は」

 隣のモニターに映っている映像を横目で見ながら、つぶやく局長。そこには、配達人ヒロ、いや中村英雄のデータが映し出されていた。

「私もそう思います。今は休ませていますが、かなり無理をしていると思います。なぜ、彼はこれほどの無茶をしたのでしょうか?」

 それは、先ほどヒロに対してしたものと同じ質問。局長はすこし考えた後、こう答えた。

「それが人間というやつさ。いろいろと面倒なことが多いものなのだよ」

 カナタが辿り着いた答えと、ほぼ同様の答えを示す局長。カナタは黙っている。

「KDF‐500?」

 局長は彼のことを呼ぶ。程なくして、彼から「何でもないです」との返答が返ってくる。

「では、これにて失礼します。でも、その前に一つだけ」

「何だい?」

「彼、マスターの名前は英雄ではなく、今はヒロです」

 どこか強い力を込められたような言葉。しかし、局長は笑顔でそれに応じる。

「…そうだったね。ではこちらかも一つ。ヒロくんに、無理しないように、と」

「伝えておきます。それでは」

 モニターが消え、そこには再び膨大な量のデータが映し出される。局長は、眼鏡を外して、目頭を押さえる。

「友達のため…か。そのために、再生のない、輪廻から外れた道を選ぶとは、彼も辛い道を選んだね…」

 そう言うと、再び眼鏡をつける。

「さて、仕事に戻りますか」

 体を起こし、モニターに目を向ける。そして、左手にリモコンのようなものを持ち、天井へと掲げる。すると、再び部屋は暗闇に包まれ、画面だけが明るさをともす空間へと戻った。


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