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Letter Part15

 こんばんは、管理人です。無理がたたったせいか、肩が痛い&体調不良なう、です。実は、明日も出てくれないかという打診はあったのですが、さすがに無理・・・。7連勤のあと休み一日でまた4連勤とか「死ね」と言ってるとしか思えない(泣)。

 今回はLetterの第15話。もしやと思いましたが、昨日の文章の切り方がやはりよくなかったorzそのせいで、区切りの付け方がすごく面倒なことに。その結果、今回はかなり短くなるかと。とりあえず、けちったわけではないので、取り急ぎそれだけ報告させてもらいます。それでは、参ります。↓



*    *

「待ってよ、健二君。話を聞いてよ。大切な話なんだ」

「………」

 英雄の言葉に耳を貸さず、俺はひたすら逃げ続ける。英雄も負けじと、俺に喰らいつい
てくる。

「おねがいだから!はっ、話を、聞いて!!」

 無視し続ける俺に対して、必死に呼びかけてくる英雄。その息はかなり乱れており、自分も同じだということに気づいた。児童会室からここまで全力で走り続けたから、むしろ当然だろう。すると、脳裏に一つのことが浮かぶ。

「英雄……そうだった!」

 俺は慌てて足を止める。すると、案の定英雄の足も止まる。ただ、英雄と立っている位置と今立っている位置には、いくらか距離がある。触れられそうで触れられない、まさに今の自分たちの距離を象徴しているようだった。

「何やってるんだよ。体強くないのに、無理しやがって!」

 できるだけ穏やかに言おうとしたが、実際に口から出た言葉は、想像以上の激情を秘めていた。しかし、英雄は物怖じすることなく、こう言った。

「よか…った。やっと止まってくれた。しかも、僕の体を気遣ってくれて、ありがとう。」

 そして、笑顔を浮かべる英雄。しかし、それを見た途端、自分の中に何か黒いものが渦巻いたのが分かった。

「そうだ、さっきから言おうと思ってたんだけど、実は…」

「どうしてなんだ…」

 英雄の言葉を遮り、俺は言う。突然のことで、英雄は目を丸くしている。そんな英雄をよそに、俺は続ける。

「どうしてだよ。俺に言ったこと、応援してくれるって言葉、あれは…嘘だったのか?」

「……」

「それともあれか、俺の気持ちを知った上で、あんなことをやったのか?」

 俺は「違う!」と心の中で叫び続ける。しかし、怒りに体全体を支配され、何一つ自分の意思ではどうにもならない。自分の意思と関係なく、声が、口が勝手に言葉をつむぎだす。

「健二君。その、実は」

 あれだけ言われたのに、尚も食い下がろうとする英雄。

「うるさい!都合のいい話ばっかりしやがって!お前なんてな…」

「やめろ!」心の中でそう叫んだ。しかし、そんな思いも空しく、その言葉は奇しくも俺の口から発せられる。

「お前なんて、友達でもなんでもない!とっとと消えろ、このうそつき野郎!!」

 英雄は何も言わず、その場に立ち尽くし、ひたすらに泣いていた。そして、俺が背中を向け、歩を進めても、あいつは付いてこなかった。それが、俺が英雄と会った最後だった。

 次の日、英雄は学校を休んだ。俺としても、あいつにどの面を下げて接すればいいのか分からなかったため、ある意味ありがたかった。しかし、2,3日と来ない日が続き、1週間ほど来ない日が続いた後、担任から、あいつが転校したことを告げられた。なにも知らなかった生徒たちは、驚くばかりであったが、その中で一人だけ、芽衣だけは気丈に振舞っていた。自分も悲しいはずなのに、気丈にふるまう彼女に対して、俺はあらかじめ聞かされていたのではないかと、そう結論付けた。気づけば、あの日以来、彼女ともまともに顔すら合わせていなかった。彼女のほうから忙しいとか、もっともらしい理由をつけて避けていたのもあるが、おれ自身彼女に声をかけることに躊躇っていた。それでも、いつか、英雄と仲直りすれば必ず、そう心に言い聞かせて続けていた。しかし、現実として待っていたのは、それが叶わなかったという事実だった。

「……なんだ、俺のせいじゃないか。何をやっているんだ、俺は」

 思わず苦笑が漏れた。今の気持ちを表すのに、これ以上にふさわしいものは無かった。


 独善的
 悲劇のヒロイン気取り


 そんな言葉が、脳裏を貫いていく。全て自分の行いが引き起こした結果。残されたのは、後悔とわだかまりだけだった。

「もしかしたら、あの時のあいつも同じ思いだったのかな」

 そう言いながら目を閉じる。思い出すのは、俺があいつに悩みを打ち明けた日のこと。あいつは、しどろもどろになりながら話をする俺に対し、驚くほど冷静に、話の核心を突いてきた。そして、その上で応援する、そう言ってくれたとき、あいつは笑顔を浮かべていた。だが、思い返せば、どこか無理をしているように見えなくも無かった。もし、あの時から、あいつも俺と同じ気持ちだったとしたら、なんと残酷なことをしてしまったのだろうか。

「はは…。こんな卑怯な俺なんかが、あいつのことを好きでいる資格なんか無いよな。そ

れなら、いっそのこと、全て無かったことにすればいいんだよな……」

 こうして俺は、過去の思い出を封印した。3人で手を取り合って遊んだ記憶、楽しかった思い出、英雄と出会ったこと、そして、初恋の思い出、それら全部を心の中に押し込んだ。その後は、簡単だった。クラスの連中は、俺たちのことを知ってか知らずか、芽衣や英雄のことを話題に出そうとしなかったし、芽衣は芽衣で、英雄のいなくなった分を埋めようと、これまで以上に児童会の仕事に奔走していた。秋になり、児童会の任期が終了すると、彼女は私立受験のために塾に通い始め、それまでと変わらず、すれ違いの日々が続いた。

 結局、卒業まで彼女に話しかけることは無かった。そして、彼女は私立中学校、俺は公立の中学校と、別の進路へ進むことになった。こうして、3人は2人に、そして1人になった。


「覚悟…か」

 アルバムを開いていた健二が、顔を上げる。写真には、楽しそうに笑いあう、幼き頃の3人の姿があった。

「あの頃を取り戻すには、俺も決めないとな。」

 言いながら立ち上がり、アルバムを閉じる。そして、部屋を後にした。




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