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Letter Part5

こんばんは、管理人でございます。やっぱ5連勤の4日目ともなると、地味に疲れが来ますね。明日を乗り越えれば休みなのですが、まともに休めるのかが不安す・・・。

 今回はLetterの第5話になります。つか、色々と〆切がやばくなってきてるのに、スピードが一向に上がらないので焦りがw本当大丈夫なのか、俺? ↓


*       *

 見慣れた風景。

 見慣れた街並み。

 そして、見慣れた光景がそこにはあった。

 近くから、小さな男の子の声がした。声のほうに近づいてみると、幼稚園着を着た男の子が泣いていた。どこかで転けたのか、男の子の膝から血が出ていた。その横には、同じく幼稚園着を着た女の子が歩いていた。その女の子は、男の子を励ましている、あるいは罵倒していた。

「うっ、うっ、痛いよ~。もう歩きたくないよぅ」

「こら、何なきごと言ってるのよ。ほら、てをかしてあげるからとっとと行くよ。まったく、何でこんなになきむしなのよ……ブツブツ」

 女の子は、何かブツブツ言っていたが、最後の方は声が小さくて聞こえなかった。だが、それでも男の子は女の子から手を借り、なかば引っ張られているようにも取れる様子で前に進んでいった。

 見慣れた交差点。ここまで来れば、家までもう少しという距離だった。

「家?」

 なんでそんなことを知っているのだろうか?ああ、そうか。ここは夢の中の世界だ。そして、それと同時に俺の過去の思い出でもある。だとすると、次は確か……

「ああ、もう。さっさとくるまがとおりすぎてくれないかしら。あたしも、おトイレいきたいのに。……んっ?」

 女の子は、背中に何かがぶつかった気がして、後ろを振り向いた。すると、後ろには見知らぬ男の子が立っていた。女の子たちと同じくらいの年に見えたが、別の幼稚園の子らしく、女の子たちとは違う服を着ていた。女の子がその男の子の顔を見つめると、男の子はビクっとした様子で立ちつくしていた。

「あ、あう。ご、ご、ごめんなさい。ちょっとぼーとしてて、そのすいません」

 とても幼稚園児と思えないほどの勢いで謝って来た男の子に対して、女の子は少し引いた、もといひるんだが、手を交差しながら、気にしないでと告げた。そして、男の子は女の子の隣にいるもう一人の男の子に目を向けた。

「うわ、そのひざどうしたの?けがしてるの?」

 男の子は、心配そうな様子で、女の子ともう一人の男の子を交互に見る。すると、

「あー、だいじょうぶよ。いつものことだから気にしないで。おうちもすぐちかくだし」

 女の子は、男の子に対して助け船を出した。しかし、

「もしよかったらさ、うちに来ない?たぶんくるまのなみが収まるまで、もうちょっとかかるしね。ぼくのいえも近くなんだ」

 ホラ、と男の子が指した場所は男の子が歩いてきた道の一番手前にある家だった。今いる地点からは、子供の足で歩いても一分はかからないだろう。

「ほら、行こうよ。ねえ?」

 男の子が手招きする。だが、女の子はそれに応じようとしなかった。

「おかあさんに、『しらないひとについていっちゃだめ』って言われているもん。それに、すぐにとおれるようになるかもしれないもん」

 女の子はそう主張した。しかし、女の子は服の裾を抑えてもじもじしている。

「じゃあ、いいかたをかえるよ。そのこのけがのてあてをしたい。ぼくのいえにきてください」

 それに、と男の子は付け加える。

「きみもそろそろげんかいだよね?」

「~~~~~~~~~~~~」

 女の子は声が出ず、ただただ顔を真っ赤にした。そして、ポツリとこう言った。

「わ、わかったわ。いくわ。いけばいいんでしょ。ついでに、おトイレかりるわね」

 すると、男の子は笑顔で頷いた。

「よかった。あ、そうだ。ぼくのなまえはひでおっていうんだ。きみたちのなまえは?」

 ひでお。男の子は、そう名乗った。

「あたしはめい。で、こいつがけんじ。よろしくね」

 女の子は、ふさがっていない方の手を男の子に差し出した。男の子もそれに応じた。

「うん、よろしくね。めいちゃん、けんじくん」

 そして、子供たちは歩き始めた。

 これが、俺と芽衣、そして英雄の3人が始まった日の出来事だった。



「う、う~ん…」

 健二が目を覚ましたのは、いつものベッドの上だった。カーテンから、まぶしい太陽の光がこぼれていた。どうやら、あの時倒れこんだまま、眠ってしまっていたようだ。

「う~ん、いつの間にか眠っちまってたか。やれやれ、もう朝だぜ……って、今何時だ?」

 健二は枕元に置いてある携帯電話に手を伸ばした。すると、その瞬間、携帯電話から突如音楽が鳴り始めた。これは健二が毎朝目ざまし時計の代わりに使っているアラームの音だった。そして、同時に時間がぎりぎりなのを示す合図でもあった。

「って、やばいし!!早く着替えないと。朝飯は……ゆっくり食べてる時間はないな」

 そのまま健二は立ち上がり、梁の部分にハンガーで吊るしてある制服を取り出した。そして、同じく吊るしてあるYシャツを取り出し、その場で着替えを始める。

「……やかましいやつだ」

 部屋の片隅から声がした。健二は声の方を振り返ってみると、昨日と同じ服装のヒロがこちらを見ていた。昨日の例の一件以来、姿を見せなかったが、おそらくいつものように健二に感知されないように、ずっと健二を観察していたのだろう。現に、健二が立ち上がると同時に、彼は行動を始めた。

「ああ、言っておくがついてくるんじゃねえぞ。一応、プライバシーというのもあるんだし」

「ふん、そんなわけには行かない。これも仕事なんでな、この手紙を渡すだけの資格があるかどうか、それを見極めなくてはならない。邪魔はしない」

 そう言うと、彼の姿は消えていった。いや、厳密には消えたわけではない。健二や他の人から感知されないようになっただけだ。健二はため息をつきながら、着替えを再開した。そして、手早く教科書などを鞄にしまい、姿は見えないだろうがそばにいるだろうと思われるヒロと一緒に、下の階へと降りていった。

 下に降りると、健二はリビングに向かった。リビングでは、彼の父親と妹がテレビを見ながら朝ごはんを食べていた。やがて、健二が降りてきたことに気づいた彼の母親が、台所から顔をのぞかせる。

「あら、おはよう。時間ぎりぎりだけど、朝ごはんどうする?」

「おはよ。時間もあまりないし、食パンあったら焼いといて」

 母親にそう言い残し、健二はリビングから出た。そのまま洗面所を向かい、軽く顔を洗う。冷たい水を浴びることで少し目を覚まそうと思ったが、健二の頭の中はまだ少しぼぅとしたままだった。もう一度洗ってみたが、あまり効果はなかった。そして、寝ぐせがついた髪の毛をどうにか直し、簡単に歯を磨き、最後に簡単な身だしなみの確認をして、洗面所を出た。リビングをのぞくと、父親と妹はすでに朝食を食べ終えたらしく、そこには誰もいなかった。台所には母親がおり、彼に気づくと、ちょうど焼けたらしいパンを彼に手渡す。

「ありがと。んじゃあ、行ってきます」

 パンを咥えたまま、健二はリビングを後にする。そして、そのままドアを開けて外に出る。ところが、健二はドアを出たところで門には向かわず、裏庭にあたる場所へと歩いていく。少しすると、健二はあるものを押して、やってきた。自転車である。それを門の所まで運んだところで、健二は自転車にまたがった。そのまま、ペダルをこぎ始める。

 ウィン、ウィン、ウィン

 健二が通学のためにこの自転車を使うのは、久しぶりだった。元々、健二の学校は健二の家から二駅先のところにある。そのため、普段は電車通学が多い。健二の家と健二の通う学校までの距離を考えると、自転車で行った方が早いのは明らかだったが、そもそも、健二は自転車通学があまり好きではなかった。なので、自転車を使うとき、それは電車に間に合いそうもない時の裏技のようなものだった。

「なんだか久しぶりな気がするな、こいつに乗って学校に行くのもさ」

 普段は、自転車に乗って出かけることも決して少なくない健二だったが、なぜだか学校に行く時は自転車で行くのは気が進まなかった。

「時間は…これなら間に合いそうだな、っと、うん?」

 制服のズボンの左ポケットに入っていた携帯電話が、突然震え出した。

(誰だ?朝からメールよこすなんて……)

健二は、いったん自転車を止めて、ポケットから携帯電話を引き出す。だが、依然として携帯電話は震え続ける。携帯電話を開いて確認してみると、それはメールではなく、電話だった。ただ、画面に表示されている番号に見覚えがなかった。

「090…ってことは誰かの携帯か。知り合いで、番号登録してないやつとかいたかな?」

 健二は不思議に思いながらも、通話ボタンを押し、携帯を耳にあてた。

「はい、もしもし。どちらさんですか?」

 しかし、受話器越しの声は何も言わない。あるいは受話器の向こうの騒音で、相手の声がかき消されていた。

「もしもし?もしもーし?どちらさんですか?」

「……放課後、駅前のドーナツ屋で待ってるから」

 今度ははっきり聞こえた。しかし、前半部分は騒音にかき消されて聞こえなかった。

「え?もしもし?もしもし、って切れてるし…」

 健二は思わずため息をついた。謎の電話、謎の相手、そして謎のメッセージ。すべてが謎だらけだった。解決の糸口は何一つ見つからなかった。

「何だったんだ、今の。って、そうだ時間。…やば、急がないと!」

 健二は再びペダルに足をつけ、こぎ出した。


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