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キミのなまえ Part2

 こんばんは、管理人でございます。第2話にして、早くもアニメ視聴が遅れ気味とか・・・。そろそろ、見るものを固定するときが来たのかもしれないです。

 さて、今回の更新ですが、久しぶりの小説更新となります。ただ、ここのところの進行状況が思わしくないので、定期更新はまだ難しそうです。とりあえず、前回と今回くらいの間隔(2週間)で更新したいとは思ってますが、すべては結果次第ということで!↓


「それではお姉ちゃん、行ってまいります」

 家を出て、校門の前まで辿りついたところで、こよりは言った。通学路が同じなこともあり、私たちは毎朝一緒に登校することにしている。もっとも、こよりはつい先日まで入院していたので、その間は一人で登校していた。―そう、一人で。

「……一人で?」

 思わず、自分の記憶に疑問を覚える私。状況を考えてみても、おそらく間違ってはいないはずだが、どこか違和感を感じた。でも、思考はそれ以上進まない。

「あの、真名さん?どうかされたのですか?」

 そんなことを考えていると、こよりは心配そうな顔をして、こちらを見てくる。そして、思考が一気に現実へと引き戻される。

「えっと……ごめん、何の話だっけ?」

 考えごとに走ったせいか、直前の会話の内容が思い出せなかった私は、失礼を承知の上でこよりに尋ねる。すると、彼女の顔に浮かぶ心配の色がまた少し濃いものへと変わる。

「えっと……ですから、行ってまいりますと、そう言ったわけで」

 彼女がそう答えたことで、私は気付いた、いつの間にか学校のそばまで歩いていたことに。しかし、やはりその間の記憶はほとんどない。どんな会話をしていたのか、どんな反応をしたのか、どんな道のりを歩いてきたのか。そうなってしまうほど、私の頭の中は例の夢のことで一杯だった。

「真名、さん?あの、やはりどこか身体の調子でも……?」

 心配の色をなお濃くした状態で、こよりは言葉を重ねる。そんな彼女に対し、私が掛けられる言葉はたった一つしかない。

「大丈夫よ、こより。あんたに心配されるほど、私は落ちぶれていないわよ!」

 そう言って、私は笑顔を浮かべる。本当ならば、とてもそのような気持ちになれないのだが、少なくても彼女の前ではそうありたかったからである。すなわち、強い姉としての自分、である。

「そ、そうですか。ですが、やはりどこか顔色もすぐれない気が……」

 しかし、尚もこよりの、私に対する疑惑は晴れない。もっとも、顔色が良くないというのは、おそらく本当のことだろう。何しろ、夢見の悪さのせいで、起きた時の気分は最悪に近い。そのため、起きてからいくらか時間のたった今に至っても、眠気と疲労感が抜けきらないという有り様である。ただ、彼女の前でそんなことも言えるはずはなく、私はありったけの気力を振り絞り、精一杯強がって見せるしかなかった。

「私が大丈夫って言ったら、大丈夫なのよ!というか、あんた……人が何も言わないのをいいことに、性懲りもなく名前で何度も呼んでくれてたわよね?もちろん、覚悟はできてると思っていいのかしら?」

「あわわわ、そ、それでは真名さ……じゃなくてお姉ちゃん。私、い、急ぎますので!」

 言うが早く、こよりは走ってこの場を立ち去っていく。ただ、そうであっても、去り際に一礼していくあたり、さすがというべきだろうか。

「全く、あの子ったら……はぁ。私も少し急ぐか」

 彼女の姿が完全に見えなくなったところで、私は再び歩き出す。ポケットから取り出した携帯の表示によると、若干急いだ方がいい時間だったため、ほんの少し駆け足で、通学路を進んでいく。すると、目の前に見知った姿を見つける。

「塔子ー!」

 私が名前を呼ぶと、目の前にいる女子生徒―塔子 が私の方を見る。私と違ってよく眠れたのか、彼女はいつも通り溌溂とした表情を浮かべている。そう、私と違って……。

「真名、おはよう。登校中に会うのは久しぶり、かな?」

「おはよう。今日はちょっと寝坊しちゃったから」

 そんな彼女の表情に合わせて、私はすかさず表情を作る。つまり、いつも通りの私を、である。幸い、彼女にそれを悟られることはなく、ここからは二人で学校へ向かう。その間、私たちは色々な話をする。例えば、昨日見たテレビの話。例えば、発売されたばかりの化粧品の話。それらは、いずれも他愛もなく、実りのない話ばかりだが、今の私にとってはどこか心地よさを感じた。今はあまり何かを考えたくなかった。

「そういえばさ、こないだのアレって結局何だったのさ?」

 不意に、彼女は話題を変えてくる。それに対し、私は特に何も考えず、答えてしまう。

「こないだのって、何のこと?」

 すると、彼女はこう続ける。

「ほら、こないだファミレス行った時、真名一人でどっか行っちゃったことあったでしょ?その時に言ってた『ヨリト』って人のことよ」

 瞬間、私の頭の中に何かが浮かんでくる。それは、今朝、正確にはここ一週間ずっと見続けている夢とよく似た光景。学校の屋上に私の姿ともう一人‐誰かも分からない男子生徒 ‐の姿があって、私が男子生徒に向かって何かを言っている、そんなシーンだった。いつもと違って空はまだ明るく、彼の姿がはっきりと映し出される。身長はおおよそ男子の平均と同じくらいで、少し痩せ型な男子、それが彼の正体だった。しかし、それでも顔だけはなぜか見えなかった。もっと言えば、顔を形成するパーツがうまく認識できず、その結果映像に反映されない、という具合である。要するに、問題があるとすれば、それはきっと映像を処理している私の方にあるということになる。

 彼は屋上の床に寝そべり、右手を真上にかざしていた。その手にはデジタルカメラが握られており、そしてその先に私の姿がある。私は彼の手首を掴み、強引に引っ張り上げようとする。しかし、彼は中々動かず、代わりに力を込めた反動で私はその場に倒れ込んでしまう。すると、彼はこちらを見て笑い、何かを言った。あいにく、その言葉が何なのかほとんど分からなかったが、それでも一つ聞こえた単語があった。

「……空」

 私の口が無意識のうちに言葉を発する。それが一体何を意味しているのかは分からなかったが、何かを感じずにはいられなかった。ひょっとすると、今抱えていることに対する、何かの答えになるかもしれないと、そう思えた。しかし、そう考えたところで別の声が耳元に飛んでくる。

「……真名?」

 その声で、私は現実へと引き戻される。今いるのは、学校へ向かう通学路の途中で、目の前には塔子の姿がいる。そして、彼女は心配そうな目つきで私の顔を覗き込んでいる。

「と、塔子……? 顔が近いん、だけど?」

 驚きのあまり、私はそう尋ねる。彼女からの返事はすぐに返ってくる。

「おっとっと、ごめん……じゃなくて! いきなり固まったり、何か言い出したり、真名何か変だよ?」

 一歩後ずさったところで、彼女は言った。それを聞いた私は、一瞬考える、彼女に今抱えている悩みを打ち明けるか否か。考えた末に、私の頭がはじき出した答えはノーだった。なぜならば、彼女に話したところで、どうこうなる問題ではないと考えたため、そして私自身どう対処していいか分からないため、である。故に、私はこう答えるしかない。

「あー……ごめん、実はちょっと風邪気味で、今朝から頭がぼぅとしてるのよ」

 我ながら、無茶な嘘だと思う。しかし、気が付くと、嘘を見破られないために笑顔を浮かべ、誤魔化そうとしている自分がそこにいた。それは、もはや自分の意思を離れ、ひとりでに表情を作りだそうとしていた。

「そうなの?でも、昨日もそんな感じだった気が……」

 なおも疑問が拭いきれない塔子に対し、私はさらに言葉を続ける。すると、やがて納得したのか、彼女はそれ以上何も言わなかった。そして、そのことに一息ついたところで、私はあることを思い出す。

「そういえば、さっきの映像は一体……。いつもとは違うけど、あれはきっと」

「真名~。早くしないと遅刻するわよ?」

 隣を歩いていた塔子の言葉を合図に、私たちは後者へ向かって走り出す。結局、到着したのは始業ギリギリだったという……。


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