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幼い約束 Part6

 こんばんは、管理人です。ナチュラルに忘れてたり、FC2のトラブルやらで少々ご無沙汰してましたが、今日から定期更新再開(予定)ですw色々とアレな管理人ですが、どうかお付き合いください。

 今回は幼い約束の第6話。今回アップするのを除いて、おそらくあと2回で完結になります。ちなみに、エピローグ部分はほぼ書きなおしたので、以前のものを読んだ方もぜひ読んでみてください。そして、ぜひ感想を(切実)↓


~Intermission~

「…美琴ちゃん、どうしたんだろ?」

 昇降口で靴をはきかえながら、藍子はつぶやく。しかし、その隣には、いつも一緒にいるはずの親友の姿は見当たらない。

「はぁ…。私にも、相談できないこと、なのかな?」

 彼女は深いため息をつく。彼女が考えるのは親友である美琴のこと。彼女の知る限り、ここしばらく、美琴はすごく上機嫌だった。それどころか、ものすごくうれしそうであった。しかし、昨日くらいから、今までの嬉しそうな表情がウソに思えるほど、彼女はどこか元気がなかった。心配になった彼女は、何度かそれとなくその理由を聞こうとした。しかし、満足のいく回答を得ることはできなかった。彼女はそのことに少なからずの不満と不安を覚えていた。

 彼女にとって、美琴の存在というのはかけがえのないものである。困っているなら助けてあげたいし、手を差し伸べたいと思っている。美琴にしても、同じように困っていたら助けてくれるし、手を差し伸べてくれる。しかし、今回は彼女を心配させまいと、ウソまでついている。そのことが、彼女にとってショックだった。

「隠し事したって、私にはばればれなんだから。だって…」

 親友だから、と続くはずの言葉を、彼女は飲み込んだ。

 靴を履き替え、校舎を出る。そんな彼女に交じって、何人かの生徒が同様に校舎から出ていく。

「いくら相談できないことだとしても、それでも私は…」

 それが彼女の本心だった。話を聞いてみて、もし自分が手伝えるものであれば手伝いたい。たとえ、手に負えないことだとしても、一緒に悩み考えたい。彼女の望みは、少しでも親友の心の不安を軽くすることだった。

「あれ?…藍…ちゃん?」

 不意に声をかけられ、彼女は飛び上がりそうになる。しかし、それを堪え、恐る恐る声のしたほうを振りかえる。そこにいたのは、メガネをかけた少年と、かなり体格のいい少年の二人組だった。顔見知りでもある二人組に対して、彼女は挨拶する。

「阿部さん、藤堂さん、こんにちは。お二人とも、今、お帰りですか?」

 すると、『阿部』と呼ばれたメガネの少年‐久志 が答える。

「うん。藍ちゃんも今帰り?だったら、途中まで一緒に帰ろうか?」

「おいおい、久。とうとう藍ちゃんにまで手を出す気か?さすがに犯罪だろ?」

 かなり体格の良い少年‐春樹 は、冗談めかしにそんなことをいってのけた。その言葉を、久志は即座に否定する。

「いやいやいや。さすがに僕でも、そんな真似しないよ。まあ、そんなことやったら、美琴ちゃんに何されるかわからないしね…」

「……すまん」

 その先を想像したらしい春樹は、少し青ざめていた。

「あ、あはははは…」

 そんなやり取りに、彼女は苦笑する。そんな日常的なやりとりに居心地の良さを感じながらも、彼女はふとあることに気がついた。

「そういえば、今日は彩さん、ご一緒じゃないんですか?」

 その言葉を聞いた久たちは、黙り込んでしまう。そして、突然訪れた沈黙に耐えきれず、藍子は慌て始める。

「あ、あわわわわわ…。その、私、ひょっとしてまずいことでも…」

「いや、別にそういうわけじゃ…」

 彼女のことを気遣うように言葉をかける久志。しかし、彼女の言葉を裏付けるかのように、その言葉にも元気はなかった。そんな彼に代わって、春樹が言葉を引き継ぐ。

「まあ、ちょっとな…。それより、美琴ちゃんの姿も見えないが、一緒じゃなかったのか?」

「…!?」

 図星を突かれて、藍子は凍りついてしまった。

「藍ちゃん??」

「あ、あぅ…」

「とりあえず、お前は空気を読むことから頑張ろうか…」

 戸惑っている春樹を押しのけて、久志は彼女の前に立つ。彼女が何か思い悩んでいるのは明白だった。だが、彼にはそれが何なのか、全く予想がつかなかった。

「なるほど。そっちも、訳ありってことか」

彼女は頷く。

「ねえ、藍ちゃん。よかったら、その辺の事情について詳しく聞かせてくれないかな?」

「え??」

 突然の提案に、彼女は戸惑いを隠せない。そんな彼女を余所に、彼は続ける。

「さっきので気づいていると思うけど、僕たちも彩ちゃんのことについて、少し心配しているんだ。だけど、あいにく野郎しかいないからね、女の子の視点というのも欲しいわけさ。もしかしたら、美琴ちゃんの話を聞いて、何かいい案が思いつくかもしれないし、僕たちに協力してほしいんだ」

 必要以上に明るく振る舞う久志。だが、空元気なのがバレバレなせいか、そんな彼の言葉は痛みを伴っていた。しかし、その中には何かに縋りたいという必死さも込められており、藍子は考えを整理してみることにした。そして、いくばくかの沈黙の後、彼女はようやく口を開く。

「…わかりました。お話ししたいと思います」

 こうして、彼女は自らの胸中を語った。


「…なるほどね」

 話を聞き終わった後、久志はそうコメントする。それに続いて、春樹も口を開く。

「というか、これって」

「…似て、ます…よね?」

 三人は、目を見合わせて、同意する。

「まさか、二人して同じような症状とはね。となると、二人に共通していて、かつ最近変わったことと言ったら…」

「噂の『せいちゃん』とやらか。まったく、何で島に来る前から、変なところでしゃしゃり出てくるんだよ?」

「本当、その通りだね…」

 一同はため息をつく。そして、藍子は尋ねる。

「それで、その、私たちは、どうするべきなんでしょうか?」

 おずおずと尋ねる藍子。しかし、それに答える久志は頭を抱えている。

「なんと言うか、難しいよね。こればっかりは、本人たちが解決しないといけない問題だろうし。僕たちにできるとしたら、せいぜい見守ることくらいだろうね…」

「そ、そんな…」

 肩をがっくりと落とす藍子。三人であれこれ議論してみたものの、結局いい考えは浮かばなかった。各々、抱えていた悩みを吐き出したおかげで、いくらか気が紛れたものの、最終的には手詰まりであると判明したことで、むしろ一層気が重くなって
いた。

「せめて、もうちょっと時間があれば、何か出来たかもしれないけどね。正直、時間が足りな過ぎたんだ」

「もう、明日ですからね」

 二人は完全に諦めの表情を浮かべる。しかし、春樹だけは何かないかとうんうん唸っている。ただ、全く思い浮かばないようで、「うなぁ~」などと悲鳴を上げている。

「あー、もう。こんなところでうだうだしててもしょうがねえ。こうなったら、直接問い詰めるしかねえよ!」

 半ばやけくそ気味にはき捨てる春樹。そのまま、駆けだしそうな勢いの彼を、久志が諌める。

「春樹!落ちつけって!僕たちが言ったからってどうにかなるもんでもないだろ!」

「でもよ!こんなことでうだうだ言ってても始まらないんだよ。だったら、直接言ってやればいいんだよ!」

「言うって…何をだよ!」

「そんなもん…そんなもん…言ってから決めるぜ!」

「ふ、二人とも!喧嘩は、喧嘩はダメです!!」

 彼女の言葉を聞いて、二人の動きが止まる。そして、バツが悪そうに二人は顔を見合わせる。

「…すまん、ちょっと熱くなりすぎた」

 先に謝るのは春樹。

「いや、僕の方こそごめん。いらいらしてたから、つい…」

 続けて、久志。

「そんなことより、早く考えないと…」

 藍子の号令で、再び考え始める三人。しかし、次第に諦めの色が濃くなっていく。

「私たちだけができることなんて、もうないのですかね?」

 藍子がぼそりとつぶやくが、もはやだれも言及しようとしない。しかし、

「僕たちにしかできないこと…そうか、その手があったか!」

 大声を上げる久志。それに驚いた残りの二人は、一気に顔をあげる。

「え??阿部さん、何か思いついたのですか?」

「な、何なんだ、おい。早く聞かせろよ!」

 二人は久志に詰め寄る。彼は落ち着き払った様子で、二人に耳打ちする。

「…で、……。だから、…ということだよ!」

「そっか、そうですね!」

「しょうがねえ。気は進まねえけど、協力してやるか!」

 彼の話を聞いた二人はようやく笑顔を浮かべる。そして、久志もまた、どこか嬉しそうな表情を見せた。

「よし、それじゃあそういうことで。さあ、時間もないし、準備しようか」

「はい!」

「おう!」

 こうして、三人はどこかへ向かって、歩いていった。

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