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ホームアウェイホーム Part4

こんばんは、管理人です。そろそろ、一旦書き溜めに入らないとヤバイ気がしてきたwwちょっとストックがやばくなってきたんで、本格的に検討する時かもしれないです。まあ、その辺は決まり次第また報告します。それでは、ホームアウェイホーム第4話になります↓



「え、ここって」

 彼女に連れられてやってきたのは、校内にあるとある建物だった。それは、どこぞの芸術家のデザインらしく、どこか周りと比べても異質だった。遠くから見ても、奇妙だと思ったが、近くで見ると数割り増しでより奇妙に見えてくる。この建物を一言で表現すると

「何と言うかその、すごくアーティスティックな建物だなこれは…」

 まるで、どこかから借りてきたような言い回しだが、もはやそうとしか言えない洋装である。こう言う時、自分の貧弱な語彙力が時折憎くなる。

「そういえば、お使いがどうとか言ってましたけど、どこまでですか?何でしたら、手伝って頂いたお礼に案内しますよ?」

 建物に見とれている(?)と、彼女がそう提案してきた。俺のことを変態とか言いつつも、とりあえず恩は感じているようだ。なかなか感心なことだ。

「いや、ここでいい」

「え?」

 彼女は、キョトンとした顔で俺を見つめる。

「俺の行きたかったところもここなんだ。案内ご苦労さま」

 ひとまず彼女に礼を言っておく。そして、缶を落とさないように腕をうまく動かし、剣道場の扉を開ける。


「面―」

「胴―――」

 バシ、バチ、バシィッ。

 一体なんだろうか。扉を開けた瞬間、あふれんばかりの熱気がブワッと襲ってくる。そして、同時に叫び声と、何かと何かがぶつかりあうような音が飛び込んでくる。これは何と表現するべきなのだろうか。

「……すげぇ」

 かろうじて出た言葉はそれだった。正直な話、自分のボキャブラリーのなさに嫌気がさしてくる。道場の中では、模擬試合でもしているのか、真ん中の方で二人が打ち合っていた。ほかの部員は、邪魔にならないように端の方で素振りしているものもいたが、大部分はそこを囲んで試合を観戦していた。手前に構えている方は、周りの状況からすると部長らしい。しかも、ファン(?)も多いらしく、彼女が一本決めようとするごとに歓声をあげる者さえいた。実際フォームもきれいで、素人目で見てもそれは明らかだった。

「この学校の剣道部は、県下でも有数の強豪校の一つで、それこそ全国に行ったこともあるくらいのレベルなんですよ」

 そう語るのは、となりにいる少女。心なしか嬉しそうな表情を浮かべている。

「私も、いつかこの部のレギュラーになって、全国に行きたいです。それが、私のひそかな野望です」

 彼女は、練習風景に顔を向けたままで話す。その横顔は本当にうれしそうだった。

「そういえば、誰かにお弁当を届けに来たんでしたね。もしよろしければ、私からその人に渡しましょうか?」

 彼女は、俺の方へ顔を向け、言った。そこで、ようやく当初の目的を思い出した。先ほどのフォームに見とれて、あやうく忘れてしまうところだった。

「あ、いやそこまでしてもらうのも悪いな。だから、呼んできてもらえるとありがたいな。何だかんだいって、地味に人が多いからなこの部。探しまわるのも大変だろうけど、それでいいか?」

 なぜか、むしろより面倒なことを頼んでいる気もするが、その辺は気にしないことにする。

「…わかりました。それで、その人の名前は何て言うんですか?」

「…中原由依」

 そう答えると、彼女は小走りで去っていく。そして、向かったのは先ほど試合をしていた、部長と呼ばれていた人物のところであった。そして、少し話をした後、その部長を連れて彼女は戻ってきた。

「わぁ、祐ちゃん、わざわざ届けてくれたの~?」

 部長から声が聞こえた。面をつけているせいか、顔は見えなかった。しかし、聞くものを眠りに誘うような眠そうな声は、間違いなく知っている声だった。

「……」

「…ねえ、どうしたの祐ちゃん?」

 彼女が面をつけたまま、心配そうに覗きこんできた。

「いや、何でも…」

 冷静に言ったつもりだったが、動揺が声に出てしまった。そのせいか、面で顔が見えないはずの由依の機嫌が悪くなった気がした。

「もしかして、前に私が言ったこと忘れたの?」

 彼女は思いっきり睨みつけてくる。もっとも、面をしているせいで、そんな気がするにすぎないのだが。

「…えーっと」

 睨まれながら、必死に記憶を手繰り寄せる。すると、一つの事柄が浮かび上がる。

「…そういえば、部長とか言ってたな、お前」

 恐る恐る、そう答える。

「絶対、忘れてたよね?」

 呆れた様子で彼女は答えるが、次の瞬間には、元の表情に戻っていた気がする。

「いいよ、許したげる。祐ちゃん、こっち戻ってからまだ日も浅いし。それより、わざわざ届けてくれて」

 そう言って、頭を下げようとする由依。面のせいで顔は見えないが、多分微笑んでいるのだろうと予測する。

「あの、部長。話の腰を折るようで申し訳ないのですが、その人は一体…」

 隣で話を聞いていた、俺をここまで連れてきた少女が質問する。そこには、困惑の色が見えた。

「あー、ごめんね、中村さんがいるのに、勝手に話を進めちゃって。ちゃんと紹介するから」

「てか、俺の方は、一応したつもりなんだが…」

 俺の不満も虚しく、改めて紹介を始める由依。話した内容は、先ほど説明した内容とほとんど変わらないはずなのに、それを聞くや否や、彼女の俺に対する見方が変わった。これが人徳の差というものだろうか。

「で、こっちの女の子は、中村智代ちゃん。今度うちの学校に入学する予定の新一年生。うちの部に入ってくれるみたいだから、春休みのうちから特別に参加させてあげてるんだよ」

 説明が終わると、軽く会釈する智代。

「先ほどはすいませんでした。まさか、本当に部長のお知り合いだとは。これに対しては、何なりと罰は受けますから!」

 そう言いながら、今着ているシャツに手をかける智代。俺は慌てて、それを制する。

「その件は別にいいから、ね。それじゃ、忙しそうだから、これで」

「あ、うん。またあとでね」

「先輩、またお会いしましょうね」

 二人の声を受け、俺は逃げるように道場を後にする。

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