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Letter番外編―猫と手紙 Part6

 こんばんは、管理人であります。現実逃避と言う名の更新作業にいそしんでるわけですが、そろそろ現実を見ないといけない時間帯・・・。まだだ、まだ終われんのだよ!


 今回の更新は、「猫と手紙」の第6話。例の如く、分量は少なめなのが本当に心苦しくなってきました。でも、いっぺんに載せるのも内容的にきついので、その辺はどうかご容赦を。そして、内容的に色々とぼかしながら書いてますけど、それがはんと描かれるかは一切未定ですwそれでは、行きたいと思います。↓

 白い壁と白い床。

 それに対応した、白い調度品。


 全てが白で統一された空間。そんな場所に、ナギとサヤは降り立った。

「いやぁ、久々の我が家、だね。ナギ!」

「サヤ、うるさい!」

 サヤは声を弾ませて言うが、それに対するナギの反応は、実に冷ややかなものだった。そんなつれない態度を見てか、サヤは少し不機嫌そうな顔になった。

「ちょっと!せっかく人が盛り上げようとしてるのに、そんな反応はないでしょ!」

「そんなこと言っても、たかだか一週間帰らなかっただけだろ。僕たちにとって、それくらいは当たり前なのに、何でそんなにテンション高いんだよ、君は?」

すると、胸を張ったような様子で(実際は無理)、サヤは答える。

「だって退屈じゃない。ナギは普通とは違った意味でまじめすぎるからさ、時折そう思うの。だから、変わり映えのない日常に刺激を…って思ったの!」

「別に、僕たちの仕事に刺激はいらないだろ。僕たちの仕事は、死者の思いを届けること。それ以上でもそれ以下でもないんだから、それ以外はノーサンキュー、だよ」

「ナギったら、見た目は子供なのに、ドライすぎるわよ」

 サヤは不満そうな口ぶりで言う。

「どっちかといえば、君みたいのが変わり者なんだけどね。さ、行くよ!」

 不満そうにぶつくさ言っているサヤを連れて、ナギは歩き出す。


 真っ白い床を歩いている二人。しばらく歩いていると、見覚えのある姿を見つける。

「おーい、ヒロ」

 子供さながらに、手を大きく振り、大声で叫ぶ。サヤは、まるで姉のようにナギのことを嗜める。不満そうな顔を浮かべるナギ。さきほどまでのドライさはなく、見た目どおりの子供のような表情を覗かせていた。そんなことをしていると、声に気づいた前方の人物が、彼らに接近してきた。

「ナギ先輩、こんにちは。今戻ったところですか?お疲れ様です」

 目の前の人物-ヒロ-は、ナギにそう尋ねる。彼を言葉で表現するなら、透き通るように白く、どこか聡明な印象を抱かせる少年という感じだった。そして、黒いスーツとマントに身を包み、左手には身の丈大の杖を持っている。

「うん、ヒロたちはこれから仕事かな?」

「ええ、そんなところです」

 すると、今度はサヤが口を開く。

「やっほ~。KDF‐500、元気にしてた?」

 サヤは、ヒロが持っている杖に話しかける。少し間をおいて、答えが返ってくる。

「KDF-058、あなたが言うところの『元気』の基準は、今ひとつ理解できませんが,
精神状態および身体の異常という意味では、以上は見られないようですが?」

「まったく、相変わらず頭固いわね。別に、そんな答えを求めてるわけじゃないんだし、もっと気を利かせてくれてもいいんじゃないの?」

 不満を漏らすサヤ。それに対して、再びKDF-500-カナタ-が答えようとする。しかし、それを口にする前にヒロがそれを止める。そして、ナギも不満そうな様子のサヤを宥める。

「ほら。あまり喚かないの」

「だって、あいつが!」

「とにかく!喧しいから、静かにしなって」

 そこまでいったところで、渋々といった様子で、彼女はおとなしくなった。一方のヒロの方も、すでにお説教は終わっているらしく、ナギたちの話が終わるのを待っていた。そして、二人のやり取りが終わったのを見て、ヒロは自らの相棒をせっつく。

「ほら、カナタ!」

「はい・・・」

 元気のなさそうな声で、カナタは話を切り出す。

「KDF–058、先ほどはすいませんでした。非礼をお許しください」

「???」

 突然のことで、頭に「?」を浮かべるサヤ。彼女が何気なくヒロを見やると、軽くガッツポーズのようなものをとっていることに気づく。彼女は一つため息をつき、答える。

「別にいいわよ。あんたも、あんたのマスターにずいぶん絞られたみたいだし。おあいこってことにしてあげるわ」

「KDF-058、ありがとうございます」

「でさ、KDF–058みたいな、堅苦しい呼び方はやめない?あんた、さっき『カナタ』って呼ばれてたでしょ?私も今度からはそう呼ばせてもらうから。代わりに、私のことも『サヤ』って呼んで」

 カナタが口を挟む間もなく、勝手に話を進めるサヤ。一呼吸置いて、カナタは答える。

「・・・わかりました、サヤ」

「うん、よろしい!カナタ」

 そんな二本のやり取りを観察するナギとヒロ。すると、ナギはあることに気づく。

「そういえば、二人ともこれから仕事じゃなかったの?もう行かないとまずいんじゃ?」

 すると、ヒロは慌てた様子でカナタに呼びかける。

「カナタ、時間は?」

「まもなく定刻です、ヒロ。急いで向かえば、定刻丁度に着くのも可能かと・・・」

「というわけで、ナギ先輩、僕たちはここで・・・」

 そういい残して、ヒロたちは駆け出していく。そんな彼らを見て、ナギは一言。

「若いっていいよね~」



 真っ暗な部屋。計算機の光が、唯一の明かりになっている。そして、前方に位置するメインスクリーンの真正面に人影がある。

「・・・・・・ぐぅ・・・」

 人影-この部屋の主たる人物-は、机に突っ伏して、いびきをかいていた。しかも、口からは今にも汚れが垂れそうだった。


ブブブッ


 部屋に備え付けられている通信機が呼び出し音を発する。しかし、連日の徹夜がたたっているせいか、彼はまったく反応を示さない。しばらくすると、呼び出し音は収まり、代わりに別の音が、部屋中に鳴り響く。


♪♪~!


 戦いに赴く女騎士でも現れそうな、勇ましい音楽が響き渡る。しかし、生のオーケストラばりの大音量であるにもかかわらず。まったく起きる気配はない。やがて、音楽は終盤に差し掛かり、演奏が終了すると、再び部屋の中は静けさに包まれる。その中で、男は変わらず眠り続けている。


「お兄ちゃん☆電話だよ?早く出ないと・・・・・・いたずらしちゃうぞ♪」


 男は飛び起きた。胸元に入っている私用の携帯電話を取り出し、通話ボタンを押す。

「・・・もしもし?」

『あ、やっと出たよ。ほら、ナギ』

 うれしそうにはしゃぐ女の子の声が聞こえてくる。男にとって、それは聞き覚えのある声だったが、いかんせん寝起きのせいか、頭が働かず、ただ呆けていた。

『もしもし、局長?』

 今度は、男の子の声が聞こえてくる。その声もまた、聞き覚えのある声で、それを合図に徐々に頭が覚醒してくる。

「・・・その声はナギかい?せっかく、人が気持ちよく寝てたというのに、まったく・・・」

 眠い目を擦りながら、彼は言う。

『そんなこと言って、また徹夜だったのかい?まったく、いつも無茶ばかりするんだから。ちなみに、地上では丁度昼ごろだよ。執務室の通信機に呼び出しをかけても出ない、直接コンピュータにハッキングしてもまったく反応なしとか、どれだけ寝ていられるのさ。さすがに迂闊なんじゃないかな?』

 電話口のナギからは、呆れ果てている様子が容易に想像ができた。

「あ~。そういえば、そんな音が聞こえてきたような・・・。まあ、それは置いとくとして、いったい何の用だい?」

『ちょうど仕事が終わって戻ってきたところだから、とりあえず報告でもと思ってね。連絡が取れなかったら、直接出向こうとも思ったんだけど、こうして連絡がついたことだし、今から送らせてもらうよ。それじゃ、サヤ!』

 ナギは相棒の名前を呼ぶ。程なくして、執務室のモニターにデータが表示される。慣れた手つきで、それに目を通していく。

「ふむふむ、擬態(トランス)を手紙に、か。相変わらず面白いことを考えるね、君は。よし、チェック完了」

『なんというか、相変わらず適当だね。そんなのでも、きちんと仕事をこなすあたり、さすがというべきかも知れないけど』

 ナギは苦笑する。

「それじゃあ、跡で次の仕事の資料を送るから、それまでは休んでいてもらって結構ということで」

『了解』

 と、そこで通信は終了する。局長は、背もたれに体重をかけ、天井を見上げる。

「それにしても、彼は何もかも変わらないな。付き合いだけは長いって言うのに、相変わらずつかみ所がない」

 一つため息を入れる。

「初めて会ったときから、そうだった。子供なのに、妙に達観していて、可愛げがなくて、おまけに一線を越えないように、他人と一定の距離を保とうとする。70年も付き合いがあるんだから、せめて私くらいにはありのままでいてほしいものだよ」

 局長は一つ伸びをすると、椅子に座り、居住まいを正す。

「さて、仕事に戻りますか。・・・戻りたくないけどさ」

 明かりの消えた執務室。メインモニターから反射する光を使い、彼は一人作業を続けていく。


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